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スイスWOSTEP(*)とパートナーシップを結ぶ時計技術者育成スクール、東京ウオッチテクニカムは、アントワーヌ・シモナン氏(A.Simonin)による 「日本における時計技術者育成について」と題した講演会を開催した。 講演は東京ウオッチテクニカムにて、9月27日および28日の2回行われ、時計輸入業界関係者およそ60名が参加した。
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アントワーヌ・シモナン氏

1年生教室見学風景

東京テクニカム授業風景
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アントワーヌ・シモナン氏は1976年から2003年までWOSTEPの校長を務めた後、現在はスイス・ロレックスが日本とアメリカで運営する時計学校の顧問兼教授陣指導者として活躍するかたわら、ラショードフォン国際時計博物館およびルロックル時計博物館の理事や、時計のスイス・コレクター協会CHRONOMETROPHILIAの名誉会長などの活動を続けている。
講演では、WOSTEPが1992年から推進する世界の時計学校とのパートナーシップ制による技術トレーニングの国際的な改善と標準化、教育理念、各国パートナーシップ提携校の現状などについて語った。 講演後、参加者は東京ウオッチテクニカム施設内へ案内されWOSTEP提携校のモデルケースとして校内を見学した。
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(*)WOSTEP( ウォステップ)
"Watchmakers of Switzerland
Training and Educational Program"の頭文字からとられた
WOSTEPは、1966年にスイス・ヌーシャテルに設立された時計技術者育成のためのトレーニングセンター。 スイスの時計メーカー、時計製造組合、および世界各国の時計関連会社や小売業者の出資によって運営される中立の教育機関である。
スイス時計メーカー、その各国代理店、そしてスイス国内外の時計技術者のためのトレーニングプログラムを提供している。 スイス本校での研修コースに加えて、1992年からは世界中の時計学校とパートナーシップを提携し、WOSTEP独自のカリキュラムを提供し最終試験まで行う。 時計技術の国際的な標準化を目的としている。
現在、パートナーシップ認定校は、世界6カ国(日本、アメリカ、中国、スウェーデン、フランス、ドイツ)に12校あり、日本では東京ウォッチテクニカム(東京・東陽町) と ヒコ・みずの ジュエリーカレッジ(東京・渋谷)の2校がWOSTEP認定校として授業を行っている。 http://www.wostep.ch
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シモナン氏の講演内容詳細は下記の通り。
世界の時計業界の現状
世界で製造される時計は年間13億個ともいわれている。 そのうちスイスで製造される時計は約2,500万個。 個数でのシェアは少ないが金額においては全体の半分を占めるほどの大きなシェアを持つ。 言いかえれば、スイスは高級時計を多く製造しているということであり、そしてそのことは、スイス時計業界が常に優秀な技術者を必要としているということを意味する。
スイス時計産業と技術者の推移
9万人が従事していたスイス時計産業は1970年代後半から1980年代半ばにかけて2万5千人にまで減少した。 結果としてスイス時計技術の質の低下も危惧されはじめた。 アメリカにあった時計学校の数も激減。 そのような状況の下、1991年スイスの時計メーカー数社が中心となってスイス外での技術者養成プランの検討を開始した。
WOSTEP
WOSTEPは1966年からスイス・ヌーシャテルにあり、スイス時計産業により運営されている時計技術者育成のための教育機関である。 スイス外での技術者養成プランはこのWOSTEPの活動の一環として進められることになり、1992年パートナーシップ制をスタートさせた。
パートナーシップ校
現在までにパートナーシップ校はアメリカ4校、ヨーロッパ5校、アジア3校で全12校ある。 パートナーシップ校は、WOSTEPが指導用として開発した教材類を基に、「WOSTEP3000時間カリキュラム」を実施する。 WOSTEPが認定した教師には、技術、教授方法を高め、改善し続けることが要求される。 そのためにはWOSTEPでの研修を受けなければならない。 学生は5回の中間試験で平均66%以上のスコアを取得し、最終試験に合格しなければならない。 最終試験に合格した学生には 「WOSTEP認定証」が授与される。
3000時間カリキュラム
このカリキュラムの第一の特徴は、巻き上げ及び針合わせ機構、香箱・ぜんまい、輪列・注油、脱進機・てん真・てん輪、ひげぜんまい・注油・タイミングといった時計の基本的な機構を学ぶ前に、マイクロメカニクスを勉強することである。 第二の特徴としては、ケーシング、自動巻き、電気式時計、クロノグラフを練習し平行して修理も学んでいくことである。
マイクロメカニクスの重要性
部品・工具を製作するという授業は、リペアとは関連がないと見られがちである。 しかし、時計技術とマイクロメカニクスには相互関係がある。 マイクロメカニクスにより学生は、時計技術に必要な「測定(目測)」「感覚」を身に付けることができる。 また、プロフェッショナルとして仕事をする上で不可欠な「自己抑制」「自己確信」を身に付けることができる。 そして、人を尊重し、工具・部品を大切にする精神、物事を秩序立てて構造化する力を養うことができるのである。
WOSTEPを受講した学生に期待できること
クロノグラフ、自動巻き、電気式時計の修理、またそのために自主的に行動し、ワークベンチで問題を解決する能力を身に付けて行く。 また、理論的に行動し、時計技術者であることにプライドを持つ技術者に成長する。 WOSTEPの教育方法による理論は技術を補足するためのものであり、決して頭でっかちな技術者を作るものではない。
(October 18, 2005)
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