インターネット上で取引される偽造時計を監視

  ソーシャルネットワーク上に掲載されている広告が、インターネットユーザーに偽造時計の購入を奨励しています。ここ数週間において当問題の規模が拡大したことから、スイス時計協会FH本部は、被害者にとって非常に高額の被害をもたらす、こうした詐欺行為に対して注意を呼びかけています。スイス税関によって、未然に数多くの荷物が押収され、破棄されます。 

 スイス時計協会FH本部は何ヶ月も、偽造時計の購入が急増していることに注意していました。ソーシャルネットワーク上の広告、特にFacebook上の広告が問題の根源です。そうした広告は、特定の層をターゲットにしており、たいてい携帯端末においてのみ表示されます。広告は、高級スイスブランド製の時計を大幅な割引価格にて販売中であると示し、時には小売価格の85%にもおよぶ割引をうたっていることもあります。広告をクリックすることで、ユーザーは販売専用ウェブサイトに誘導されます。販売している製品が偽造品であることや、その特質を明白に示しているサイトもある一方、そうしていないサイトもあります。その製品の特質について購入者を欺くため、割引についてのあいまいな表現があるのみです。購入者のクレジットカードに対する引き落とし通知書の詳細には、常に中国に居を構える企業が掲載されています。

 スイス税関によって、数週間のうちに数百件ものケースが報告されています。当問題の規模を鑑みると、スイス時計協会FHには、一般へ向けた通知義務があると考えます。また、こうした不当かつ誤解を招きやすい手法について、警告を発する義務もあります。スイス時計協会FHは、販売されている製品が本物であるかどうか確認するよう特に注意を払う必要があることを、時計を購入したいと考えている人に今一度申し上げます。偽造品のスイス時計が税関によって押収された場合、消費者には2重にペナルティが課せられます。偽造時計は破棄され、時計購入時に支払った金額は払戻しされません。さらに購入者は、介入によって税関に生じた経費を支払う必要もあります。

 混乱を防ぐため、スイス時計協会FH本部は、インターネットユーザーに対して、製品を販売しているウェブサイトに関して問い合わせをし、他の消費者が掲載したコメントを読み、また「うますぎる話」は避けるように助言しています。新しく、検索エンジンにリストアップされていないウェブサイトや、確かな連絡先住所が掲載されていないウェブサイトについて、ユーザーは注意するべきです。さらに、ウェブサイト上で会社情報が記載されていても、ドメイン名の登録情報には一致しないことが多く見受けられます(Whois情報)。さまざまなスイスブランドの正式ウェブサイトには、認可を受けた販売ネットワークが明確に記載されています。

 この問題にあたり、スイス時計協会FH本部および関係する時計ブランドは、特定したウェブサイトを閉鎖するよう、手段を講じています。さらにこうした手法について、ソーシャルネットワークや主なオンライン決済組織にも通知を行っています。

 スイス時計協会FHは、スイス時計産業の統括的組織であり、会員数は約500社で、スイス時計製造に関連する企業の90%にあたります。スイス内外の産業保護および発展に尽力しています。スイス時計協会FHは、会員に対して多岐にわたるサービスを提供しており、その一つとして、偽造時計の販売を撲滅するための対策が挙げられます。業務の一部として、またスイス税関当局との連携を図るため、スイス時計協会FHは、一般の人々が行った購入に関して調査を実施し、詐欺販売ネットワークを特定および壊滅させることを目的とした情報を収集しています。

December 24, 2015