スイス・中国: 第4回時計部会会合

2国間の自由貿易協定のフレームワーク設立におけるスイス・中国時計部会の内容

 部会には中国側から中華人民共和国工業情報化部副長官のソウ氏(Cao Xuejun 氏)と中国時計協会会長のチャン氏(Zhang Hongguang氏)が、またスイス側から連邦経済省経済事務局(SECO)の アジア・太平洋相互経済関係 (Asia/Oceania Bilateral Economic Relations)責任者のクリスティーン・B・モーロン氏(Christine Büsser Mauron氏)とスイス時計協会FH会長のジャン=ダニエル パッシュ氏(Jean-Daniel Pasche氏)が出席した。

 部会では最初に、2016年7月に施行された危険物質に関する中国の規制(中国版ローズ規制2、RoHS2 China)について話し合われた。実施について、特に2019年3月15日に施行されるコンプライアンス管理目録(Compliance Management Catalog)に関して具体的に取り上げられ、その結果「適合性評価システム」は少なくともそれまでの間継続されることとなった。 関税に関してスイス代表団は、恐らく近い将来には改正されないであろう消費税を含めた現状の課徴金の比率軽減を求めた。連邦経済省経済事務局とスイス時計協会FHはまた、4年が経過した自由貿易協定に定められた関税についての見直しも繰り返し要請した。その際、中国側は個人輸入の一律課税(個人託送や輸入に適用される「小荷税」)が2018年11月1日より、10,000人民元(約162,000円)以上の時計については60%から50%に、それ以下の時計については30%から25%に引き下げられたことを伝えた。  

 部会で話し合われた主要議題は知的所有権の保護と偽造対策で、再び議論の中心となった。様々な話題の中でも特に、北京のシルクマーケットのように公然と活動している偽造市場、近年横行している「模造品」、言い換えれば架空の「似たような」ブランド名を施した偽造品の存在が取り上げられた。言うまでもなくその規模の大きさから、インターネットでの偽造時計の販売も問題のひとつとなった。後者の問題についてスイス側は、ホスティング・プラットフォームに関して介入手続中も主張し続けることに対し法的かつ管理的な難しさを特に強調した。残念ながらスイス製時計商標の不正使用がいまだ拡散していることから、原産地表示(Swiss made)の不正使用対策についても引き続き優先課題として要請した。  

 知的所有権を明確に保護するために、中国で成すべきことはたくさんある。実行力の面で、部会はこれまでに納得できる効果について幾つかの進展をみた。その中には、スイス時計協会FH 香港センターでブランド/モデルの証明を支援するためのホットラインを設置したり、スイス時計協会FHが公表したスイス製商標の偽造または不正使用がなされているブランド名のリストが含まれる。この部会の終わりに中国側は製品証明に関する共同研修について提案をおこなった。  

 部会の後半にはFiyta Holdings Ltd社を往訪し、製造、組み立ておよび物流を含めた同社の様々な業務を視察した。  (時計業界誌レヴューfh 2019年1月17日No.1より)
     




     

January 31, 2019