ユネスコ無形文化遺産に登録

スイス・フランスの機械式時計の職人技能がユネスコ無形文化遺産リストに加わる

 国際教育科学文化機関(ユネスコ)は昨年12月にスイス・フランスの機械式時計の職人の技能を無形文化遺産に登録することを決定した。 
 両国の国境地帯に連なるジュラ山脈一帯で数世紀にわたって受け継がれる職人技の無形文化遺産認定を受け、スイス文化省は「ジュラ地方を象徴する生きた伝統」に光が当たったとの見解を表明した。 
 ユネスコは認定理由として、機械式時計の職人技が「科学、芸術、技術の交差点」にあると説明している。 
 登録の対象は、ジュネーブからシャフハウゼン、ビールからブザンソンまでのジュラ地域に沿って行われる機械式時計の製造技能とアート技巧に加え、サンクロア地方の特徴である機械人形(オートマトン)やオルゴール、機械仕掛けのカナリアなどの製造も含み、伝統的な手工業技術から最先端の革新技術まで網羅している。 
 このフランコ-スイス地域では、さまざまな職人、企業、博物館、関連機関が、伝統的で革新的なこれらの職人技術を推進し受け継いでいる。機械式時計製造の職人技とアート技巧は、主に経済的役割を果たす一方で、その地域の日常社会生活、ならびに建築や都市計画を形成してきた。ラショー・ド・フォンとル・ロックルの時計製造の街づくりが、2009年にユネスコの世界遺産に登録されており、この職人技の知識と技術認知が無形遺産と有形遺産の間における補完性と継続性を示している。  
 ジュラ地方は欧州の時計産業の発祥の地とされる。この地に時計職人が根付いたきっかけは、仏出身の宗教改革者ジャン・カルバンがジュネーヴの宗教改革に加わったことだった。カルバンは1541年に装飾品を身につけることを禁止したことにより、金細工職人や宝石商などは時計製造業に目を向けることになった。その後、時計製造業はジュネーブからジュラ山脈沿いに産業が広がっていった。 

( 本記事は東京センターにて一部再編集して掲載しております。英語/フランス語の原文はこちらをご参照ください。 )   

February 16, 2021