LVMHウォッチ部門がラ・ジュー・ペレの少数株式を取得

LVMHウォッチ部門が、世界最高峰の複雑ムーブメントの設計・製造で定評のあるスイスのムーブメントメーカー、ラ・ジュー・ペレ社の少数株式取得を発表した。 今回のラ・ジュー・ペレ社への出資により、LVMHグループ傘下の高級時計ブランドに新たな生産能力と革新技術を提供する戦略的提携の強化が図られる。

ラ・ジュー・ペレはスイスの時計産業の中心地、ラ・ショー・ド・フォンに拠点を置き、約140名の従業員を要するムーブメントメーカーで、高品質なムーブメントの設計と製造を専門とし、自動巻きムーブメント、複雑機構ムーブメント、さらに高精度なソーラークォーツキャリバーの開発まで多岐に及ぶ。また名門時計ブランドへの供給元として、伝統と確信を融合させながら、自社ムーブメントの生産や仕上げを含め、開発から最終組立までを行ない、全工程を自社で管理している。2012年にシチズングループの傘下に加わってからは、事業の安定性と国際的な展開を享受しつつ、スイスのアイデンティティと創造的独立性を維持している。

LVMHグループ傘下のタグ・ホイヤーは、2022年から、“スイス製”の専門技術を体現するソーラークォーツムーブメントの開発において、ラ・ジュー・ペレ社と緊密に連携してきた。現在、この高精度ソーラークォーツは、アクアレーサー及びタグ・ホイヤー フォーミュラ1コレクションに搭載され、大きな成功を収めている。これは時計製造の卓越性に取り組む両社の関係性のクオリティの高さと勢いを示すものである。この協力関係は、ティファニーのロープウォッチに搭載したムーブメントの開発にも拡大しており、LVMHの他ブランドとの提携も今後展開される予定である。

LVMHウォッチ部門によるラ・ジュー・ペレへの出資及びパートナーシップの関係強化は、専門性の高い産業パートナーとの戦略的連携強化と、LVMHが保有する16の自社製造工場がある時計産業の中心地、スイスへの投資支援を目的とした長期計画の一環である。ラ・ジュー・ペレは、これからも完全に独立性を保ち、現在そして将来の顧客に対して、独自の専門技術と顧客サービスを提供していく。また、ラ・ジュー・ペレと複数の時計ブランドを所有するシチズングループも、各ブランドの独立運営を引き続き行なっていく。

LVMHウォッチ部門のCEO、ジャン-クリストフ・ババン氏とシチズン時計グループの代表取締役社長兼CEOである大治良高氏のコメントは以下の通り。

“ラ・ジュー・ペレ社との関係強化を嬉しく思います。同社の技術的熟練度、産業の卓越性、そしてスイス時計産業に深く根ざした存在感は、当社の時計ブランドにとって理想的なパートナー関係を築く基盤となります。私たちは、ソーラーエネルギーに関する卓越した専門知識を活かし、持続可能な高精度な時計ムーブメントの分野で、共にリードする役割を果たすことを目指します。”(ジャン-クリストフ・ババン氏)

“LVMHグループをラ・ジュー・ペレ社の資本に迎え、両社の関係性がさらに強化されることを大変喜ばしく思います。今回の戦略的提携は、技術力の認知を確固たるものにし、長期的な新たな展望を開きます。この強固なパートナーシップにより、ラ・ジュー・ペレ社は、卓越した性能のムーブメントを供給し、LVMHグループと共に、スイスの時計産業の発展に寄与していきます。”(大治良高氏)

 

 

November 28, 2025